こんにちは、宅地建物取引士の宅男です。

さて、あなたは相続をした空き家を所有していないでしょうか?もし、所有しているならばすぐに売却するべきです。

なぜならば、相続開始から一定期間内に空き家を売却できれば特別控除を受けることができるからです。この特別控除を受けることにより、売却時にかかる税金を抑えることができます。

では、もし一定期間以上経ってしまった場合はどうでしょうか?残念ながら特別控除を受けることはできないです。

しかし、諦めないで下さい。ここでは、相続して一定期間以上経ってしまった空き家を所有しているあなたにもお得に売却できる方法を紹介します。

1、空き家を売却した際に発生する税金

空き家を売却した際にかかる税金は譲渡所得税です。譲渡所得税とは、不動産の売却によって生じた所得・利益に対してかかる税のことを言います。

【譲渡所得税の計算式】

譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費用+譲渡費用)

譲渡所得税=譲渡所得×譲渡所得税率

  • 譲渡収入金額
    空き家の売却価格のことを言います。固定資産税・都市計画税の日割り清算により受領した金額も含みます。
  • 取得費用
    相続などで取得費用がわからないときには、「譲渡収入金額×5%」を概算取得費として計上できます。取得費用が分かる場合には、減価償却費を差し引きます。例えば、木造であれば法定耐用年数が22年となっています。そのため、取得費用が2,200万円であれば毎年100万円ずつ(2,200万円÷22年間)価値がなくなっていき、22年で空き家の価値はゼロになります。
  • 譲渡費用
    仲介手数料や印紙税、登記費用など空き家を売却した際にかかった費用になります。
  • 譲渡所得税率
    所有していた期間により以下のように税率が分かれます。
長短区分 短期譲渡所得 長期譲渡所得
所有期間 5年以下 5年超 10年超所有
軽減税率の特例
税率 39.63% 20.315% 14.21%(※)

譲渡所得6,000万円以下の部分のみ、譲渡所得6,000万円超えの部分は20.315%

では、具体的に空き家を売却した場合にかかる税金を見て見ましょう。

2、空き家を500万円で売却した場合の税金

譲渡収入金額…500万円
取得費用…不明
構造…木造
所有期間…30年
譲渡費用…30万円

  1. まずは、取得費用を求めます。
    取得費用=500万円×5%=25万円
  2. 次に課税譲渡所得を求めます。
    譲渡所得=500万円-(25万円+30万円)=445万円
  3. 最後に譲渡所得税を求めます。
    譲渡所得税=445万円×14%=62.3万円

このように、「譲渡所得税の計算式」に当てはめることにより譲渡所得税を求めることができます。

3、譲渡所得の3,000万円控除

冒頭でお話ししたとおり、相続開始より一定期間内に空き家を売却できた場合は特別控除を受けることができます。

その一つが、「譲渡所得の3,000万円控除」です。以下の条件に当てはまる場合に使用することができます。

3000万円控除を受ける条件
  • 相続以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却を行う。
  • 平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に売却を行う。
  • 昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震基準の住宅であること。
  • マンションなどの区分所有建物ではない戸建てであること。
  • 相続開始まで自宅として使用されており、亡くなった人以外に、住んでいる人がいないこと。
  • 譲渡収入金額が1億円を超えていないこと。
  • 相続時から売却時点まで、居住、貸付け、事業などの使用歴がない空家であること。
  • 売却時に、所定の耐震基準に適合した状態にリフォームしてあること。または、更地にしてあること。

条件を満たすことができた場合には、譲渡所得税を求めるときに譲渡所得より3,000万円を控除することができます。「2、空き家を500万円で売却した場合の税金」に当てはめると以下の計算式となります。

譲渡所得税=(445万円-3,000万円)×14%=0円

このように、譲渡所得が3,000万円以下であれば譲渡所得税が0円になります。

しかし、空き家がマンションの場合には「譲渡所得の3,000万円控除」を使用することはできません。また、空き家の場合には所定の耐震基準に適合する耐震工事を行うか空き家を解体して更地にして売却しなければなりません。

いずれの工事も数百万程度かかることが予想され、「2、空き家を500万円で売却した場合の税金」のケースのように譲渡収入金額が低額なケースでは必ずしもお得になるとは限りません。

そのため、通常通り空き家のままで売却を行った場合と、工事を行い3,000万円の控除を受けて売却を行う場合とどちらがよいのか計算を行う必要があります。

4、相続税の取得費加算の特例

空き家を相続した際に受けることができる控除のもう一つが、「相続税の取得費加算の特例」です。

この控除を利用することにより、支払った相続税の一部を取得費用へ加算することができます。具体的な例を見てみましょう。

  • 譲渡収入金額…5,000万円
  • 取得費用…4,000万円
  • 所有期間…30年
  • 譲渡費用…200万円
  • 相続税…300万円

【取得費加算の特例を使用しない場合】

譲渡所得=5,000万円-(4,000万円+200万円)=800万円

譲渡所得税=800万円×14%=112万円

【取得費加算の特例を使用する場合】

譲渡所得=5,000万円-(4,000万円+200万円+300万円)=500万円

譲渡所得税=500万円×14%=70万円

このように取得費加算の特例を使用することにより支払わなければならない譲渡所得税が少なくなります。取得費加算の特例が使用できる条件は以下のとおりです。

  • 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
  • その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
  • その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

以上の条件より相続した空き家がマンションの場合でも使用できます。また、空き家を売却するときに所定の耐震基準に適合する耐震工事を行ったり、解体して更地にする必要もありません。

しかし、「譲渡所得の3,000万円控除」と重複して使用することはできません。そのため、どちらを使用した方がよいのか事前に計算を行わなければなりません。

5、控除が使用できないときの売却方法

「譲渡所得の3,000万円控除」と「相続税の取得費加算の特例」は使用できる期間が決まっています。そのため、もし、この期間を過ぎてしまうと本来どおりの譲渡所得税を支払わなければなりません。

しかし、まだ諦めないで下さい。

空き家が高く売却できればよいのです。「3、譲渡所得の3,000万円控除」のケースと、「2、空き家を500万円で売却した場合の税金」のケースの空き家が600万円で売却できた場合を比較して考えてみましょう。

比較

【空き家を500万円で売却し3,000万円の特別控除を使用した場合に取得できる金額】

取得金額=445万円-0円=445万円

【空き家を600万円で売却した場合に取得できる金額】

取得費用=600万円×5%=30万円

譲渡所得=600万円-(30万円+30万円)=540万円

譲渡所得税=540万円×14%=75.6万円

取得金額=540万円-75.6万円=464.4万円

このように、空き家を高く売却することにより控除を受けることができずに譲渡所得税を支払ったとしても得をすることができるのです。

では、500万円の空き家を600万円で売却するにはどうすればよいのでしょうか?それは、不動産一括査定を利用して空き家を売却することにより可能となります。

不動産一括査定とは、不動産の情報をインターネットで送信するだけで、不動産一括査定と提携している不動産会社へ空き家の査定から売却まで依頼できるサービスのことです。

なぜ、不動産一括査定であれば空き家が高く売却できるのでしょうか?理由は2つあります。

5-1、空き家の地元の不動産会社に査定を依頼できる

空き家を相続した際には、現在の居住地より遠方の空き家を相続するケースがよくあります。

このときに、空き家の地元の不動産会社ではなく、居住地の近くの不動産会社に売却を依頼すると損をすることがあります。これはなぜでしょうか?

あなたが、天気予報を見るときに地元の天気は見るはずです。しかし、地元から離れた地域の天気予報を気にしてみることはあまりないでしょう。

不動産会社も地元の不動産の情報しか詳しくないのです。そのため、居住地の近くの不動産会社に相続した遠方の空き家を売却を依頼しても不動産会社も適切な相場がわからないのです。

その結果、相場から離れた安い金額で空き家を売却してしまい損をしてしまうのです。そのため、空き家を適正な価格で売却するには、空き家の地元の不動産会社へ売却を依頼する必要があるのです。

しかし、空き家の地元の不動産会社へ行くには労力や時間がかかります。そのため、安い金額でもよいと妥協して空き家を売却する人も多いです。

このようなときに、不動産一括査定を利用することにより問題が解決されます。不動産一括査定は、全国の不動産会社と提携しています。

そのため、インターネットで情報を送信するだけで空き家の地元の提携している不動産会社へ空き家の査定から売却まで依頼できます。

不動産一括査定を利用することにより、わざわざ空き家の地元の不動産会社を訪れる労力と時間を省くことができるのです。

5-2、複数の不動産会社へ査定を依頼できる

もし、空き家を高く売却したいならば複数の不動産会社を訪れる必要があります。

複数の不動産会社を訪れて、「あの不動産会社はこれだけの査定を付けてくれている」と交渉することにより、競合意識が発生してより高い金額で売却活動を行なってくれるようになるのです。

しかし、複数の不動産会社を訪れて何度も空き家の情報を伝えることも労力や時間がかかってしまいます。そのため、空き家の査定を一社しか取らずに不動産会社へ売却を依頼してしまう人も多いです。

不動産一括査定は、インターネットを利用して複数の不動産会社から空き家の査定を行なってもらうことができます。

そのため、不動産一括査定を利用することにより、複数の不動産会社を訪れて空き家の情報を伝える必要がないのです。

空き家の売却時の税金のまとめ

相続した空き家を売却すると、譲渡所得税がかかります。しかし、相続開始から一定期間内に売却することができれば、「譲渡所得の3,000万円控除」または、「相続税の取得費加算の特例」の使用により、譲渡所得税の控除を受けることができます。

もし、一定期間内に売却できなかった場合には、控除を受けることはできません。しかし、不動産一括査定を利用することにより、空き家を高額で売却することが可能となり、控除分をまかなえるような金額で売却できることもあります。

また、控除を利用できた場合でも不動産一括査定を利用して空き家を売却することにより、さらにお得に売却することができるようになるでしょう。