こんにちは、宅地建物取引士の宅男です。
さて、不動産の売買ではたびたび詐欺事件がニュースとなることがあります。例えば、「必ず値上がりすると言われて酷い土地を買わされた」などのニュースを聞いたことがあるのではないでしょうか?
ニュースでは、買主が被害に合う事件が多く報道されます。しかし、売主が被害にあってしまうことも不動産売買ではあり得るのです。
ここでは、不動産の売却を考えているあなたのために、不動産の売却時に考えられる悪質な手口について説明します。
Contents
不動産売却時の悪質な手口
売却時に考えられる悪質な手口は主に4つあります。
1-1、不動産の売却金額を手に入れることができない
現金で不動産売買の決済を行い、現金が振り込まれる場合には不動産の売却金額は必ず手に入れることができます。
しかし、不動産購入の代金を小切手で支払いたいと買主から申し出があった場合には注意が必要です。なぜならば、その小切手が使用できないかもしれないからです。
小切手自体が偽物だった場合にはもちろん小切手を使用することができません。また、小切手を発行した預金口座に残金が残っていなかった場合にも不渡りとなってしまい売買代金を得ることはできないでしょう。
1-2、売買前に他人に不動産の所有権が渡ってしまう
不動産登記とは、誰が所有者であるか証明するために行われている国の制度です。あなたが所有している不動産の登記を確認するとあなたの名前が記載されているはずです。
しかし、なぜこのような不動産登記制度があるのでしょうか?それは、もし、不動産登記制度がなければ誰が不動産の所有者かわからないためです。所有者が誰かわからないために、他人の不動産でも売却できるようになってしまうのです。
登記情報は所有者を確認するために必要ですが、必要書類さえあれば誰でも登記情報の変更を行うことができます。不動産のプロである不動産会社であれば容易に登記情報の変更を行うことができるでしょう。
もし、悪徳不動産会社の場合には、不動産の売却の前に勝手に登記情報を変更することにより所有者を変更してしまうのです。そして、勝手に不動産を売却してしまうのです。
1-3、不動産会社が不動産を買い取る
不動産の売却を依頼したにも関わらず、不動産会社が不動産を買い取るとはいったいどういったことなのでしょうか?
不動産会社はいつまでも売れない不動産がある場合に、「買い取りましょうか?」と提案を行ってくるときがあります。不動産会社が買い取り転売するために、相場より安くなってしまいますが、すぐに売却することができるためにこの提案に乗る人も多いです。
これが、悪徳不動産会社の場合には、わざと売却活動を行わずにいつまでも不動産が売れないように見せます。そして、安い価格で買い取って、高い価格で売却を行うのです。
1-4、不当な請求を行う
不動産会社が請求を行える費用は、基本的には仲介手数料のみです。仲介手数料にも上限が定められており、その上限を超えた請求も法律により禁止されています。
しかし、悪徳不動産会社の場合には、広告費や測量費などと称して不当な請求を行います。また、仲介手数料も上限を超えた金額を請求されることもあります。
悪徳不動産会社の特徴
では、悪徳不動産会社にはどのような特徴があるのでしょうか?注意して欲しい点が4つあります。
2-1、不動産売買の決済を小切手で行う
不動産会社から小切手で売買の決済を行いたいと申し出があることがあります。このような場合、不動産会社と買主が結託して売主を騙そうとしている可能性があります。
不動産の売却金額の授受については必ず現金で行うようにしましょう。現金で決済を行うことにより、「1-1、不動産の売却金額を手に入れることができない」のようなトラブルを避けることができます。
2-2、決済前に不要な書類を要求される
不動産売却の代金の決済時のみに必要となる書類があります。それが、印鑑登記や権利書などの書類です。
これらの書類だけで登記情報の変更を行うことができます。そのため、通常の不動産会社であれば「不動産の代金の決済時のみに持ってきて下さい」と説明があるはずです。もし、決済までにこれらの書類が必要となった場合には写しで対応します。
しかし、悪徳な不動産会社の場合には、勝手に登記情報の所有者の変更を行いたいと考えています。そのため、決済前にも関わらず、「印鑑登録証明書などの原本を持ってきて欲しい」と説明を行うのです。
もし、このような説明があったとしても決済時までは決してこれらの書類の原本を不動産会社へ渡してはいけません。不動産会社へ原本を渡すことがなければ、「1-2、売買前に他人に不動産の所有権が渡ってしまう」のようなトラブルが起こることはありません。
2-3、値下げの提案ばかり行う
「値下げしても売れなかったため、さらに値下げしましょう」
このような提案が頻繁にある場合は要注意です。通常の不動産会社であれば、不動産売却金額を値下げした場合には数ヶ月は様子を見ます。
しかし、悪徳不動産会社の場合には、不動産の買い取りを行いたいと考えています。そのため、頻繁に値下げの提案を行うのです。
不動産会社による買い取りを防ぐためには、値下げを行わなければならない根拠を不動産会社へ問い合わせてみましょう。不動産会社は、不動産売却にあたって近隣の相場などを調査しています。値下げの提案を行う根拠があるのです。
もし、値下げの根拠が出せなければ不動産の買い取りを行いたいと考えている不動産会社の可能性が高いです。不動産の売却を依頼する不動産会社の変更を検討しましょう。
不動産会社の変更を行うことにより、「1-3、不動産会社が不動産を買い取る」のような、悪徳不動産会社の不動産の買い取りを防ぐことができるでしょう。
2-4、何を行うにも費用がかかる
「1-4、不当な請求を行う」で説明したとおり不動産会社が不動産の売却に伴い請求できる費用は仲介手数料のみです。
もし、仲介手数料以外の費用の請求を行う場合には以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 売主から依頼した
- 売主が費用の発生を了承している
例えば、売主から広告の配布を依頼したとします。この場合に、不動産会社より「〇〇円かかりますが宜しいですか?」と返答があります。そして、この費用に対し売主が了解して初めて費用が発生するのです。
しかし、悪徳な不動産会社の場合には、「広告配布のために費用がかかった」、「測量のために費用がかかる」など、不当な請求を行います。これらの費用は払う必要がありませんので決して支払うことがないようにしましょう。
不動産会社の決定の方法
ここまで、悪徳不動産会社の手口と特徴について説明を行ってきました。もし、悪徳不動産会社に不動産の売却を依頼してしまうと不利益を受けてしまうことは間違いありません。
そのため、悪徳不動産会社へ不動産の売却を依頼することを避けなければなりません。しかし、街の不動産会社を見ても悪徳不動産会社ですと自分で言うような不動産会社はありません。悪徳不動産会社かどうか見極めることができないでしょう。
では、どのように不動産の売却を依頼する不動産会社を決定すればよいのでしょうか?そこでおすすめしたい不動産会社の決定方法があります。それが不動産一括査定を利用した不動産会社の決定です。
悪徳不動産会社を避ける
不動産一括査定とは、インターネットを利用した不動産の売却方法です。不動産の情報を入力し、各不動産一括査定サイトへ送信するだけで提携している不動産会社から不動産の査定の連絡が入るのです。
あとは査定の連絡が入った不動産会社の中から不動産の売却を依頼する不動産会社を選択するだけです。しかし、なぜ不動産一括査定を利用することにより悪徳不動産会社へ不動産の売却を依頼することを避けることができるのでしょうか?
それは、悪徳不動産会社は各不動産一括査定サイトと提携できなくなっているためです。各不動産一括査定サイトは悪徳不動産会社の排除を徹底しています。
もし、悪徳不動産会社と判明した場合には不動産一括査定サイト側から提携を打ち切ってしまうのです。そのため、各不動産一括査定サイトと提携している不動産会社は優良な不動産会社ばかりです。悪徳不動産会社と出会う心配がないのです。
悪徳不動産会社についてのまとめ
悪徳不動産会社はあの手この手で利益を得ることを考えています。ここで説明した手口はほんの一例です。もっと手口が巧妙なものもあります。
そのため、悪徳不動産会社へ不動産の売却を依頼することはなんとしても避けなければなりません。しかし、街の不動産会社に依頼した場合はどこに悪徳不動産会社が隠れているかわかりません。
そこで使用して欲しいのが不動産一括査定です。不動産一括査定と提携している不動産会社に悪徳不動産会社はありません。悪質な手口によって騙される心配がないために、安心して不動産の売却を依頼することができるでしょう。