こんにちわ、宅地建物取引士の宅男です。

3月は転勤シーズンですね。転勤のために不動産を売却したいという人も多いのではないでしょうか?

転勤の準備のため忙しいと不動産会社に売却を任せきりになる人も多くいます。しかし、忙しいからといって不動産会社に売却を任せきりではとても危険です。

以下のような事態におちいる可能性があります。

  • 不動産がいつまでも売れない
  • 不動産の売却価格が安すぎる

このような事態にならないように、どのような行動をすればよいか、知識を持っておくべきか説明します。

1、不動産会社との契約の種類

そもそも、不動産会社に契約の締結まで全てをお願いして任せきりにすることはできるのでしょうか?

不動産会社との契約の種類には、「媒介契約」「代理契約」があります。

【媒介契約】

売主と買主を仲介することしかできず、不動産会社が売主の代わりに契約を締結することはできません。

【代理契約】

売主と買主を仲介するだけではなく、不動産会社が売主の代わりに契約を締結することができるようになります。

つまり、代理契約を不動産会社と締結することにより、不動産の売却に関する権限を全て不動産会社に与えることができるのです。

2、代理契約を締結するメリット

代理契約のメリットは不動産会社に全てをお任せできるということです。特に、以下に該当する人は代理契約を締結することが多いようです。

2-1、遠方の不動産を売る場合

転勤などにより、遠方の不動産を売却する必要が出てくることがあります。

この場合、売却の契約を締結する際に、不動産のある地域へわざわざ出向かないといけないこともあります。銀行で売買の決済を行うため、平日に行かなければならないという縛りもあります。

このようなときに、不動産会社と代理契約を締結することにより、不動産のある地域へ出向く必要がなく、売却が可能になるのです。

2-2、不動産が共有となっているとき

不動産が複数人の共有名義となっているときには、不動産を共有している全ての人が売買契約へ出向く必要があります。

また、銀行の決済も共有名義になっている全員が平日に行く必要があります。

夫婦でマイホームを購入した場合などは、条件を満たすことは可能かもしれません。しかし、相続で不動産が共有名義となってしまった場合には、相続人全員の日程を調整する必要が出てきてしまいます。

このような場合には、不動産会社と代理契約を締結することにより、共有名義になっている全員が集まる必要がなくなるのです。

以上の条件に該当する場合には、私も不動産会社へ代理契約を依頼することをおすすめできます。

しかし、基本的には不動産会社との代理契約はおすすめできません。なぜならば、代理契約による大きなデメリットがあるからです。

3、代理契約を締結するデメリット

代理契約を締結するデメリットは、全てが不動産会社任せになってしまうということです。特に、以下のデメリットが目立つようです。

3-1、不動産がいつまでも売れない

不動産会社に全てお任せしてしまうということは、不動産会社が動かなければ不動産がいつまでも売れない危険性があるということです。

不動産会社に全てお任せするとはいえ、現状を電話で確認するなどの行動は最低限行うようにしましょう。

3-2、不動産売却価格が安い

不動産売却に関する権限を全て不動産会社に与えるということは、売却価格についても権限を与えることになります。

買主が「あと少し値引きしてくれたら買う」と言っている場合に値引きを行うかどうかも不動産会社が決定することができるのです。

そのため、希望売却価格で売れなかったということもあります。最低売却価格を取り決めて書面に残すなど、希望売却価格を下回ることがないようにする必要があります。

3-3、手数料が倍になる

媒介契約を締結することにより、不動産会社は不動産売却の媒介を行なったことによる仲介手数料を受領することができます。

仲介手数料は上限が決められており、不動産売買の売却価格によって異なりますが、売却価格に対して3%〜5%程度となります。

これが、代理の場合には媒介契約で得ることができる仲介手数料の2倍まで手数料を受領することができるようになります。そのため、不動産売却後に手数料など諸経費を差し引いた金額が少なくなってしまうのです。

以上が、代理契約を締結することによるデメリットとなります。

代理契約を締結することによるメリットとデメリットを総合的に考えると、やはりデメリットの方が大きいと言わざるを得ません。

どうしても、代理契約を締結して売却を不動産会社にお願いしたい場合には最低限行なって欲しいことがあります。

4、代理契約を締結する前に行なって欲しいこと

4-1、行政処分情報を確認する

代理契約を締結するのであれば、締結する不動産会社が信頼できる不動産会社である必要があります。

そのため、まずは法令違反を過去に行なったことがないか確認して下さい。行政機関に備え付けられた名簿にて過去の行政処分の情報が確認できます。これは、一般人でも確認することができます。

管轄区域によって問い合わせ先が異なりますので、インターネットで該当する行政機関を検索してみて下さい。

4-2、手数料の値引き交渉を行う

代理による売却の手数料は、最大で媒介の場合の2倍です。あくまでも「最大で」ですので、値引き交渉は可能です。不動産会社によっては値引き交渉に応じてくれる会社もあるでしょう。

不動産はとても高額な取引ですので、数パーセントの違いでも手数料に大きな差が出ます。できる限り、手数料を抑えて売却による手取りを多くするようにしましょう。

4-3、代理契約書に細かい取り決めを記載する

代理契約を締結することにより、不動産の売買に関する全ての権限を与えることができます。

しかし、先ほど説明した売却価格のようにどうしても譲ることができない部分があるはずです。

その譲ることができない部分を細かく代理契約書、または委任状に記載して下さい。

そうすることにより、不動産会社も譲ることができない部分を超えた売買契約を行うことができなくなります。

5、代理契約を締結した後に行なって欲しいこと

5-1、売買契約書を確認する

不動産会社が売買契約を締結する際には、必ず売買契約書を確認するようにして下さい。

不動産会社が早く売却できるように、売主が不利になり、買主が有利になるような売買契約書を作成している場合があります。

売買契約書を見てもよく分からない部分については、納得できるまで、不動産会社へ問い合わせて下さい。

5-2、定期的な確認を行う

不動産会社が積極的に動いてくれているかどうか確認するためにも、定期的に不動産会社へ不動産の動きについて連絡を取るようにしましょう。

  • 「今週は内覧に〇〇人入りました」
  • 「物件の問い合わせが〇〇件ありました」
  • 「〇〇という問い合わせがありました」

こういう些細な報告で構いません。こういうことに対し、売却のためにはどのようにしたらよいかと不動産会社と相談できるということが、少しずつ売却へ進んでいくのです。

不動産会社へ売却を任せきりにすることのまとめ

不動産会社と代理契約を締結することにより、不動産の売却を任せきりにすることができます。

しかし、代理契約を締結することにより不動産会社に大きな権限を与えることとなってしまいます。そのため、代理契約によるメリットを得られるような場合でなければ、代理契約を締結しない方がよいです。

もし、どうしても代理契約により売却を不動産会社へ任せきりにしたいならば、その不動産会社が信頼できるということが最低条件となります。

そして、本当に任せきりになるのではなく、定期的に不動産会社と相談を行い、不動産の売却に向けて密に連携を取ることが重要となります。