こんにちは、宅地建物取引士の宅男です。

さて、マンションに住んでいるあなたは毎月、管理費等を支払っているはずです。

しかし、マンションを売却した場合には、あなたは管理費等を支払う義務がなくなります。
新しい買主が、その義務を引き継ぐからです。

あなたが支払っている管理費等ですが、マンションで使用するために積み立てられています。

はたして、マンションの売却を行う際には、自分が積み立てた管理費等は返金してもらうことができるのでしょうか?
そもそも、なぜ毎月積み立てる必要があるのでしょうか?

まずは、管理費等がどのようなことに使用されているか説明します。

1、管理費等の使用用途

管理費等はマンションの管理や景観維持に使用される「管理費」と、建物の修繕に使用される「修繕積立金」があります。

具体的な使用用途は以下の通りです。

【管理費】

  • マンション管理会社への依託費
  • マンションの清掃費
  • 管理人費用
  • 共用廊下やエントランスの電球代
  • 共用廊下やエントランスの電気代 など

【修繕積立金】

  • 外壁塗装、鉄部塗装費用
  • エレベーターの更新費用
  • 受水槽更新費用
  • 駐車場の新規設置費用 など

管理費は、積み立てるものではなく、日常的なものに使用されます。
一方で、修繕積立金は将来の大規模な修繕のために積み立てられます。

もし、あなたがマンションに居住されている間に大規模な工事が何も行わなければ、あなたが積み立てた分の修繕積立金は返金してもらえるのでしょうか?

2、修繕積立金の返金について

結論としては、マンションの売却を行なった場合でも修繕積立金の返金はありません。

修繕積立金は掛け捨ての保険金のようなものです。
もし、あなたの室内で雨漏りなどが確認されたとしても修繕積立金が使用され、雨漏りの修繕費用をあなたが負担する必要がありません。

また、災害などにより建物が被害にあったときにも、建物の復旧費用として修繕積立金が使用されます。

そのため、居住中に修繕積立金を使用することがなかったとしても返金されることがないのです。

しかし、修繕積立金の先払いをしていた場合には返金してもらうことはできます。
例えば、5月分までの入金でよかったものを6月分まで入金しているような場合です。

この場合、6月分からは、新しい買主の義務となります。
管理会社、または理事長へ返金を依頼することにより、返金してもらうことができるでしょう。

3、管理費等を滞納している場合の売却

管理費等を滞納している場合でも売却は可能です。
滞納額については、新しい買主に債務が引き継がれます。
そのため、新しい買主が支払う必要があるのです。

しかし、これでは「購入後、滞納していることを初めて知った」という事態が続出してしまいます。
このようなことが起こらないように、売却時には滞納額について買主に説明する義務があります。
そして、滞納額を引いた金額で売買を行うのです。

例えば、マンションの売却金額が1000万円、滞納額が50万円だったとします。
この場合の取引金額は以下の通りとなります。

1000万円(マンション売却金額)−50万円(滞納額)=950万円(買主より売主へ支払われる額)

このようにして、買主が以前の債務を引き継ぎ、滞納している管理費等を振り込まなければならないという義務が発生するのです。

4、修繕積立金が不足した場合

マンションによっては、修繕積立金の額が少ないために、修繕積立金が不足してしまうことがあります。
そのような場合には、主に2つの方法が取られます。

4-1、一時金の徴収

修繕費用について、所有者で割った額を一時金として徴収を行います。

例えば、修繕費用が1000万円不足し、所有者が20人のマンションだったとします。
この場合の徴収額は以下の通りです。

1000万円(修繕費用)÷20人(所有者の人数)=50万円(所有者一人に対する徴収額)

4-2、借り入れを行う

一般の人と同じように、マンションでも修繕費用が足りない場合には銀行より借り入れを行うことができます。

しかし、借り入れ後は修繕積立金の積み立てと、返金を併せて行う必要があります。
そのため、修繕積立金の値上げは避けることができないでしょう。

築浅のマンションでは、マンションを販売するために不動産会社が修繕積立金を低く設定しています。
そのため、修繕積立金が不足してしまうことがよくあるのです。

マンションの売却と修繕積立金について

マンションを売却しても修繕積立金は返金されません。
だからといって、修繕積立金を滞納しても、売却時に滞納額は差し引かれます。
マンションによっては、滞納額に利息を加えて徴収するマンションもあります。
滞納しないように毎月支払うようにしましょう。

また、マンションの修繕積立金が不足した場合には、一時金の徴収や、修繕積立金の値上げが行われます。

近い時期に、マンションで大規模な工事を予定しているにもかかわらず、修繕積立金に不安を覚えるのであれば、一時金の徴収や修繕積立金の値上げが行われる前にマンションを売却した方がよいでしょう。