こんにちは、宅地建物取引士の宅男です。

さて、あなたは空き家を売却できずに困っていないでしょうか?空き家がいつまでも売却できないときには自治体に寄付するという選択肢もあります。

自治体に寄付を行うことにより空き家の所有権が移転されます。そのため、空き家の管理や固定資産税の支払いの義務がなくなるのです。

しかし、簡単に自治体に空き家を寄付することができるのでしょうか?

また、自治体に空き家を寄付するメリット、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは、自治体への空き家の寄付について説明します。

1、自治体への空き家の寄付について

自治体への空き家の寄付について現在仕組み造りが進められています。

実際に制度設計に向けた調査費用が平成29年度予算の概算要求に盛り込まれています。

今後は空き家の自治体への寄付のハードルが低くなるでしょう。

参考URL:http://www.sankei.com/politics/news/160805/plt1608050002-n1.html

では、現在はどうでしょうか?

現在は自治体への寄付のハードルが高く過半数の自治体は寄付を受け入れていないのが実態です。

自治体としても利用価値が高い空き家しか寄付を受け付けていません。そのような、空き家であれば通常どおり売却することも可能でしょう。

なぜ、自治体は空き家が増え続けているにもかかわらず寄付を受け入れてくれないのでしょうか?

2、自治体が空き家を受け入れない理由

自治体が空き家を受け入れない理由は2つあります。

2-1、税収が減ってしまうため

空き家であろうと不動産の所有者には、建物と土地の固定資産税の納税の義務が毎年発生します。

これは市町村税全体の約42%を占めており、市町村民税の約44%に次いで市町村の財政を支える大きな税収源になっています。

もし、空き家の寄付を受け入れた場合には空き家の所有者が市町村になります。市町村から税収を徴収しても、自分の財布から支払って自分の財布へしまうだけですので固定資産税が非課税になります。

その結果、寄付された空き家からの税収がなくなり徴収できる固定資産税が減ってしまうのです。自治体としても税収を減らしたくないために空き家の寄付を受け入れないのです。

2-2、管理費用がかかるため

空き家を寄付を受け入れた場合、自治体に建物の修繕費や草木の伐採費の空き家の管理費用が発生します。

この費用は税金で支払われることとなります。空き家を受け入れることにより税収が減ってしまうのに、支出が増えてしまうのです。

財政に余裕がない自治体が多い現在、自治体による空き家の受け入れが困難となっているのです。

3、自治体に空き家を寄付するメリット・デメリット

自治体への寄付はハードルが高いですが、もし自治体へ寄付できたときのメリット・デメリットはどのようなことがあるのでしょうか?

3-1、自治体に空き家を寄付するメリット

自治体に空き家を寄付するメリットは、冒頭で説明したように、空き家の管理や固定資産税の納税の義務がなくなることです。

これらの費用が高額であり、家計を圧迫してしまうことも珍しくはありません。このような場合、空き家の寄付によって家計に余裕ができるでしょう。

また、空き家を所有していると空き家の倒壊、放火などの損害賠償の発生のリスクもあります。

空き家を寄付できれば、所有者が変更となるため損害賠償責任がなくなります。精神的にも安心することができるでしょう。

3-2、自治体に空き家を寄付するデメリット

自治体に空き家を寄付するデメリットは、寄付であるために現金を得ることがないということです。

ずっと空き家が売れなくとも、値下げを行えば売却できたかもしれません。そのような場合には、本来得ることができた金額を損してしまうことになります。

また、住宅ローンが残っている場合にはそれも一括で返済しなければなりません。その場合には、費用のみ発生してしまい得るものが何もないのです。

4、空き家の寄付を受け入れている自治体

空き家の受け入れを行っていない自治体が多いですが、空き家の寄付の受け入れを積極的に行っている自治体もあります。

空き家の寄付を受け入れている自治体の事例を見てみましょう。

4-1、長崎県長崎市の取り組み

参考URL:http://www.city.nagasaki.lg.jp/sumai/660000/668100/p023429.html

長崎市に空き家を寄付すると、長崎市が空き家の解体を行なってくれます。

しかし、長崎市が空き家の寄付を受け入れる条件が解体後の土地の管理を地域の住民が行うこととなっています。そのため、事前に地域の住民に管理の協力をお願いしなければなりません。

同様の取り組みを富山県滑川市、山形県山形市でも行っています。

4-2、東京都荒川区の取り組み

参考URL:https://www.city.arakawa.tokyo.jp/kankyo/machidukuri/funenka/kikenroukyuutatemono.html#cms9BD01

荒川区でも長崎市と同じように、空き家の解体を荒川区を行なってくれます。

しかし、空き家を寄付しても寄付を行えるのは建物だけであり、土地の所有権はそのまま残ります。また、解体後の土地を区に無償で貸し出さなければなりません。

4-3、千葉県野田市の取り組み

参考URL:http://www.city.noda.chiba.jp/kurashi/anzen/bouhan/1000322.html

野田市では、空き家の倒壊等の被害を防ぐために、倒壊等の危険がある空き家であれば寄付を受け入れてくれます。

しかし、市長が特定空家を除却して地域住民のために有効活用できると認めなければならないという条件があります。

また、空き家が共有で所有されている場合、所有者全員が空き家の寄付に賛成しなければなりません。

空き家の寄付に取り組んでいる自治体でもすんなりと空き家を受け入れてくれることはなく、空き家の寄付のハードルは高いものとなっているようです。

5、寄付できないときの空き家の処分方法

空き家の寄付ができないならば、空き家を解体して処分するしかないです。

空き家の寄付を受け入れてくれない自治体でも、空き家の解体であれば積極的に取り組んでいる自治体は多いです。

そのような自治体であれば、解体費用の助成金が使用できることがあります。助成金を使用することにより解体費用を抑えて空き家の解体を行うことができるはずです。

また、空き家を解体することにより更地となります。更地として売り出すことにより、需要が高まり今までよりも購入希望者が増えます。

そのため、今まで売却できなかった空き家でも、空き家を解体することにより売却できるようになることもあります。

もし、土地を売却できなくても、空き家が無くなっているために駐車場などに利用できるようなります。空き家の解体により土地を活用することができるようになるのです。

自治体への空き家の寄付のまとめ

空き家の増加が社会問題となり国としても空き家の寄付の仕組み作りに取りかかっています。そのため、近い将来売却できない空き家を自治体へ寄付できるようになるかもしれません。

しかし、現状では活用できない空き家の寄付を多くの自治体が受け入れていません。そのため、空き家が売却できないからと自治体へ寄付を行うことは難しいと言わざるを得ないです。

そのため、そのような場合には空き家を解体を検討してみましょう。寄付に対して、空き家の解体については積極的に取り組んでいる自治体は多いです。

そのような自治体であれば、解体費用の助成金が使用できることもあります。この助成金を利用して空き家を解体することにより解体費用を抑えることができます。

空き家の解体後は空き家が無くなって更地となります。更地として売り出すことにより売却できるようになることもあります。また、駐車場に利用するなど活用方法も増えるのです。