こんにちは、宅地建物取引士の宅男です。

さて、最近、テレビのCMでよくマンションの建て替えのCMを見ることはないでしょうか?老朽化してきたマンションが増えたために建築業界でも建て替え工事を受注しようと活動しているのです。

しかし、マンションの寿命とはどのくらいなのでしょうか?マンションの寿命はどのようにして決まるのでしょうか?

もしかすると、購入して数年後には寿命がきてしまい建て替えが必要になるという可能性もあります。購入の際には、マンションの寿命を考えて、あと何年住むことができるかを計算した上で購入する必要があるのです。

ここでは、マンションの購入を考えているあなたのためにマンションの寿命とそれを決める要因について説明します。

1、一般的なマンションの寿命

一般的なマンションの場合の法定耐用年数は47年です。これは、国が決めている税法上の耐用年数です。47年で価値がなくなるものと考えられているのです。

しかし、これはあくまで国が決めているものです。例えば、パソコンであれば4年が法定耐用年数となっています。もちろん、通常の使用方法であればパソコンは4年以上使えるでしょう。

では、実際のマンションはどのくらいが寿命と考えられているのでしょうか?マンションが建築された年代によってコンクリートの質が異なるため一概には言えませんがマンションの寿命は60年〜100年程度ではないかと考えられています。

しかし、60年経っていないマンションでも建て替え工事を行なっています。これは何故でしょうか?

車の場合を考えてみて下さい。日本車は20万キロ以上走行することができると言われています。それにも関わらず、10万キロを超えると買い替えを考える人が多いのではないでしょうか?

加えて、特に古いマンションの場合には、旧耐震基準のマンションが多く震度5強程度に耐える基準となっています。

これでは大地震があった際に、耐えることができず倒壊してしまうかもしれません。このような不安を払拭するために、マンションが寿命を向かえていないにも関わらず建て替えを行なっているのです。

2、タワーマンションの寿命

タワーマンションの寿命は専門家でも意見が分かれています。なぜならば、タワーマンションの歴史が20年程度とまだ浅く、古いタワーマンションがまだないためです。そのため、将来的に起こるであろう修繕リスクと寿命の関係について説明します。

タワーマンションでも、一般的なマンションと同じように寿命は60年〜100年程度ではないかと考えられます。ただし、これは適切な修繕を行なった場合です。

タワーマンションの場合には、大規模修繕工事で足場を組み立てることができません。そのため、大規模修繕工事では屋上から吊り下げ昇降させるゴンドラか移動昇降式足場(リフトクライマー)を使うこととなります。

いずれも、強風時は修繕工事を行うことはできません。そのため、工期は長くなり、工事費用も莫大なものとなります。

この工事費用を修繕積立金で捻出できなければ、工事を行うことはもちろんできません。また、大規模修繕工事を行うにも所有者の過半数の賛成が必要となります。

このように、タワーマンションの大規模修繕は一般的なマンションに比べて着工のハードルが高いです。そのため、適切な修繕が行われにくく、マンションの寿命を短くしてしまうのではないかと考えられます。

3、マンションの寿命を決めるもの

では、マンションの寿命が長いか短いかはどのように決まるのでしょうか?マンションの寿命を決める要因は4つあります。「管理」「材料」「造り」「立地」です。

3-1、管理による要因

マンションの寿命を長くしたいと考えたときに一番重要な要因が管理です。人間も体が悪くなったときには病院に行って治してもらいます。マンションも寿命を長くしたいと考えるならば、適切な管理が必要となるのです。

ここで言う管理とは、マンションの修繕のことだけではありません。マンション全ての管理のことを指します。そもそも、管理組合の運営が適切に行われていなければ、修繕工事費用を捻出することもできません。

そのため、マンションの所有者全員でマンションを長く持たせようという意識の共有も必要となります。意識の共有により、マンションの管理が適切に行われればマンションの寿命は長くなります。逆に、意識が共有されなければマンションの寿命は短くなってしまうでしょう。

3-2、材料による要因

マンションは、コンクリートによって大部分が造られています。そのため、コンクリートの質によりマンションの寿命も異なります。

1970年代はマンションの建築ラッシュでした。建築ラッシュにより、川砂が足りなくなりコンクリートの材料に海砂が多用されたました。水洗いが十分ではなく、塩分を含んだままの海砂が使われることも多かったようです。

塩分は、鉄骨や鉄筋の腐食を引き起こします。1970年代に造られたマンションはコンクリートの質が良いものではなかったのです。このことより、マンションの寿命は長くはないでしょう。

それに対し、近年ではコンクリートの質が良くなっています。200年の耐久性を持つコンクリートの仕様が確立されています。さらに、500年の耐久性を持つ500年コンクリートの作成も進められています。

このように、近年に建築されたマンションであればコンクリートの質が良くなっています。そのため、寿命はゆうに100年を超えることができるでしょう。

3-3、造りによる要因

マンションの構造は、S造(鉄骨造)<RC造(鉄筋コンクリート造)<SRC造(鉄筋鉄骨コンクリート造)の順に強くなっていきます。

S造は、柱や梁など骨組に鉄骨を使用した構造のことを言います。RC造は柱や梁、床・壁が鉄筋とコンクリートで構成されていており、S造より強固となります。SRC造は鉄骨の柱の周りに鉄筋を組み、コンクリートを打ち込んで施工しているために、RC造よりさらに強固なものとなります。

また、コンクリートのかぶりの厚さによっても耐用年数が異なります。かぶりの厚さとは、鉄筋を包むコンクリートの厚さのことを言います。かぶりが、厚ければ厚いほどマンションの耐用年数が増すと言われています。

かぶりの厚さが3センチメートルの場合には耐用年数が65年、かぶりの厚さが4センチメートルの場合には耐用年数が100年になると言われています。

このように、マンションの造りによってマンションの寿命が異なります。SRC造やかぶりが厚ければ寿命は長くなります。これに対して、S造やかぶりが薄ければ寿命は短くなってしまうでしょう。

3-4、立地による要因

鉄骨や鉄筋は塩分に弱いです。塩分によって腐食が進行してしまうためです。海沿いのマンションはコンクリートのヒビから海水が入る可能性もあります。塩害対策を行わなければ寿命は短いでしょう。

また、排気ガスによりコンクリートが中性化してしまい、鉄骨や鉄筋の腐食を引き起こすこともあるようです。車通りが多い道路や高速道路の近くではコンクリートの中性化を防ぐ工事も必要となるでしょう。

このように、立地によってマンションの寿命が短くなる場合があります。適切な工事を行うことにより寿命が短くなることを防ぐことができるでしょう。

マンションの寿命についてのまとめ

マンションの寿命は様々な要因によって決まります。その中でも特に重視して欲しいことが「管理」です。

「マンションは管理を買え」といった言葉があるように、管理によって寿命は大きく左右されます。また、売却時にも適切な管理を行なっているマンションの方が高く売却できます。

マンションを購入するときには、購入を依頼した不動産会社より重要事項調査報告書をもらうことができます。これには、購入するマンションの修繕の履歴や修繕積立金の額、修繕の予定などが載っています。

そのため、これを確認することにより、購入したいマンションが管理を適切に行うマンションかどうかがわかるはずです。

「マンションを買ったがすぐに寿命が来てしまった」ということがないように、必ず事前に購入したいマンションの管理状況を確認するようにしましょう。