こんにちは、宅地建物取引士の宅男です。

さて、2020年にはオリンピックが開催されます。オリンピック開催を控えて東京ではマンションの建築や土地の地価の上昇により不動産業界ではプチバブルを向かえています。

果たしてこの恩恵は地方でも受けることができているのでしょうか?また、地方の不動産は今後需要があるのでしょうか?

ここでは、地方の不動産を所有しているあなたのために、地方の不動産の現状と将来についてお教えします。

1、不動産のプチバブルについて

まず、東京ではどうして不動産業界がプチバブルを向かえているか説明します。不動産の価値は需要と供給によって決まります。

例えば、オークションでも希少性があるものは高額で取引されます。不動産でも、人気があり万人が欲しいと思うようなものほど高額になります。

逆に、スーパーの売れ残りの惣菜のように、人気がない不動産の場合には値下げをしなければ購入希望者が現れないでしょう。

オリンピックは誰もが一度は見てみたいと思いますよね?そのため、開催地である東京の不動産の人気が上がっているのです。

また、オリンピックの開催地の地価は上昇するというデータがあります。そのため、海外投資家も東京の不動産に投資を行なっており、東京の不動産の地価が上昇し続けているのです。

2、地方の不動産の現状について

では、地方の不動産の地価はどうでしょうか?平成29年の「地価公示」より地価の動向を確認してみましょう。

全用途 住宅地 商業地
27公示 28公示 29公示 27公示 28公示 29公示 27公示 28公示 29公示
全国 ▲0.3 0.1 0.4 ▲0.4 ▲0.2 0.0 0.0 0.9 1.4
三大都市圏 0.7 1.1 1.1 0.4 0.5 0.5 1.8 2.9 3.3
東京都 0.9 1.1 1.3 0.5 0.6 0.7 2.0 2.7 3.1
大阪圏 0.3 0.8 0.9 0.0 0.1 0.0 1.5 3.3 4.1
名古屋圏 0.9 1.3 1.1 0.8 0.8 0.6 1.4 2.7 2.5
地方圏 ▲1.2 ▲0.7 ▲0.3 ▲1.1 ▲0.7 ▲0.4 ▲1.4 0.5 ▲0.1
地方四市 1.8 3.2 3.9 1.5 2.3 2.8 2.7 5.7 6.9
その他 ▲1.5 ▲1.1 ▲0.8 ▲1.3 ▲1.0 ▲0.8 ▲1.8 ▲1.3 ▲0.9

地方四市とは、札幌市、仙台市、広島市、福岡市の四市になります

地価公示とは国土交通省の土地鑑定委員会が地価公示法に基づいて、毎年1回、1月1日時点における標準地の1平米あたりの地価を公表することをいいます。

不動産の取引はこの地価公示を参考して行われます。したがって、地価公示の動向がプラスとなっている場合には、去年より不動産の価値が上がっていることになります。逆にマイナスの場合には、不動産の価値が下がっていることになります。

東京では、地価公示の動向がプラスとなっておりオリンピックの恩恵を受けることができていることがわかります。

このことに対し地方4市を除く地方圏の地価の動向はマイナスとなっています。このことより、地方ではオリンピック開催によるプチバブルの恩恵を受けることができず、地方の不動産の価値が下がっていることがわかります。

3、地方の不動産の将来について

今から23年後の2040年には、日本全体の空室率が40%を超えるという試算を野村総研が公表しています。

この数値は日本全国の平均です。そのため、地方では50%を超える空室率という地域も珍しくなくなるでしょう。

このような状態に陥ってしまった地方では、スーパーのお惣菜のように不動産を値下げしなければ売れなくなってしまいます。もしかすると、タダでももらい手がいなくなってしまい、固定資産税だけ支払わなければならないという状態に陥ってしまう危険性すらあります。

そのため、地方の不動産を所有しているならば早めに売却する必要があります。空室率が高くなってから売却しようとしても手遅れです。不動産は全く売れずに損をしてしまうでしょう。

4、すぐに売却すべき不動産について

地方の不動産の中でも、今すぐに売却活動を行うべき不動産があります。

4-1、旧耐震物件

マンションや戸建の不動産の場合、新耐震物件と旧耐震物件に分けられます。

「新耐震物件」

1981年6月1日以降に建築確認が下りた、新耐震基準に適合している物件。

「震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと」、「震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しないこと」を建物の強度の基準としている。

「旧耐震物件」

1981年6月1日以前に建築確認が下りた、新耐震基準に適合していない物件。

「震度5程度の地震で倒壊しないこと」を建物の強度の基準としている。

もし、震度6強から震度7の地震が起こってしまった場合を考えてみましょう。

新耐震基準は、倒壊・崩壊しないことを基準に建てられています。そのため、倒壊・崩壊する危険性は少ないでしょう。しかし、旧耐震物件では震度5までしか基準がありません。そのため、倒壊・崩壊してしまう危険性があるのです。

東日本大震災や熊本地震により地震に対する人々の心構えが変わってきています。旧耐震物件を購入したいという人が少なくなっており、今後さらに物件の価値が下がっていくでしょう。

4-2、周辺施設の廃止

周辺施設は不動産の価値に大きな影響を与えます。

例えば、「駅まで徒歩1分の不動産」と「駅まで徒歩1時間の不動産」を比べた場合、「駅まで徒歩1分の不動産」を欲しい人が多いのは間違いありません。

そのため、「駅まで徒歩1分の不動産」の価値は高くなり、「駅まで徒歩1時間の不動産」の価値は低くなります。駅の他に不動産の価値に影響を与える施設は以下のとおりです。

  • スーパー
  • コンビニ
  • 病院
  • 学校
  • 公園 など

もし、このような施設が廃止となってしまった場合、不動産の価値の下落は避けられません。そのため、もし周辺施設の廃止が検討されている場合、廃止になる前に売却してしまった方がよいでしょう。

地方の不動産のまとめ

東京ではオリンピック開催を控えプチバブルを向かえています。しかし、地方ではその恩恵を受けることができず、不動産の価値の下落が続いています。

これから、さらに空室率の悪化すると言われています。地方では半数以上が空室となってしまう状態も考えられます。

このような空室が半数以上の状態になってしまうと不動産はタダ同然の価値となってしまいます。そのため、地方の不動産はこのような状態に陥る前に売却した方がよいでしょう。