こんにちは、宅地建物取引士の宅男です。

さて、テレビで戸建の空き家が問題として取り上げられているのを見たことはないでしょうか?あまりテレビでは取り上げられませんが、実は、マンションも空き家が多くなってきているのです。

それにも関わらず東京オリンピックに向けて新築マンションが次々と建てられています。

このままだとどうなってしまうのでしまうのか?
あなたのマンションは売れなくなってしまうのか?

ここでは、将来のマンションの需要と供給について説明します。

1、新築マンションが増え続けると将来どうなるか?

新築マンションが増え続けるとマンションの空き家がさらに問題となります。では、空き家が増え続ける原因として考えられるものは何でしょうか?

それは、少子化に伴う人口の減少です。人口が減少するということは、需要が減るということです。それなのに、供給だけ増え続ける訳ですから、マンションという商品は売れ残ってしまうのです。

それならば、これ以上マンションを建てなければよいと考えるかもしれません。しかし、それでは建築業界が全く利益を上げることができなくなってしまいます。そのため、後のことを考えずにマンションは建て続けられているのです。

2、マンションの空き家が増えた際の問題

では、マンションの空き家が増え続けるとどのような問題が起こることが考えられるのでしょうか?

2-1、建物の修繕が適切に行われない

建物の修繕は管理組合によって行われます。管理組合とはマンションの所有者全員で組織される組合であり、総会にて修繕についての決定を行います。

修繕についての決議を採るには、総会で過半数の賛成が必要となります。また、大規模な修繕については4分の3以上の賛成が必要となります。

それでも、管理組合が適正に運営されている場合には決議を採ることは難しくないでしょう。しかし、空き家が多いマンションの場合には管理組合の運営に興味がない人が多いです。

そのため、管理組合が全く運営されずに修繕の決議を採ることすらできなくなってしまうのです。

建物が修繕されなくなった結果、色は落ち、ヒビだらけの建物となってしまうのです。このようなマンションに住みたいと思う人はいないでしょう。

居住者も次第に引っ越すようになってしまい、さらにマンション内の空き家が問題となってしまうのです。

2-2、解体も建て替えもできない

今、マンションの老朽化が問題となっています。特に1960年代〜1970年代に建てられたマンションは、マンションの法定耐用年数である47年を超えるマンションも少なくありません。

また、この年代のマンションは旧耐震基準のマンションです。旧耐震基準では、震度5強程度で倒壊しないことを目的としており、一刻も早い対策が必要となっています。

マンションが寿命を迎えた際に取ることができる方法は2つです。解体するか建て替えるかです。管理組合が適正に運営されていればどちらかの方法を取ることはできるでしょう。

しかし、空き家が多いマンションの場合はどうでしょうか?建て替えには、所有者の5分の4以上の賛成が必要となります。管理組合が適正に運営されていないマンションでは、とても決議を採ることはできないでしょう。

また、解体するにも費用がかかります。管理組合が適正に運営されていない場合には、解体費用も出すことができないでしょう。

いつか大地震が来ると言われています。旧耐震のマンションにも関わらず何も対策を行わないマンションに住みたいとおもいますか?結果として、マンション内の空き家が加速してしまうのです。

3、空き家問題に対する国の対策

空き家対策特別措置法という法律を聞いたことがないでしょうか?これは、空き家問題に対して国が平成27年5月26日に施行した法律になります。この法律は以下の目的で施行されました。

  • 地域住民の生命、身体又は財産を保護する
  • 地域住民の生活環境の保全を図る
  • 空家等の活用を促進する
  • 空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進する
  • 公共の福祉の増進と地域の振興に寄与する

そして、この法律により空き家に対して以下の措置が取られるようになりました。

空き家の調査と現況の把握

市町村が空き家の所在と所有者の把握のために必要な調査や情報の提供を求めることができるようになりました。そして、調査の結果、特に対策が必要な「特定空家等」にみなされると措置が講じられます。

解体の通告や強制対処

いきなり強制対処を行うわけではありません。助言、指導→勧告→命令→強制対処という流れになります。

固定資産税の特例対象からの除外

空き家にも関わらず、家屋の解体を行わない理由として固定資産税の減免措置があります。これは、土地の上の建物が建っていれば固定資産税が最大で6分の1になるという減免措置でした。

減免措置を利用するために空き家にも関わらず放置していた人も多いのです。しかし、空き家対策特別措置法により特定空家等にみなされると減免措置を利用することができなくなりました。

このように空き家に対して国としても対策を行うようになりました。ここで言う空き家とは主に戸建のことが該当します。マンションの場合にも特定空家等と見なされて、空き家対策特別措置法が取られることはあるのでしょうか?

マンションも特定空家等と見なされて空き家対策特別措置法が取られることはあります。しかし、マンションの場合には棟ごとに特定空家等に該当するか判断されます。では、特定空家等の判断基準はどのようになっているのでしょうか?

特定空家等と見なされる空き家の定義は以下のとおりです。

  • 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

よほどのことがなければ、マンションとしてこれらを満たすことはないでしょう。ゆえに、マンション内の空き家に対する国としての対策は未だに行われていないと言わざるを得ないでしょう。

4、将来のマンションの需要について

総務省で5年ごとに行っている「住宅・土地統計調査」の結果を見て下さい。

このように、空き家数と空き家率は年々増えています。これを見て将来あなたが購入したマンションが売れるかどうか不安に感じるかもしれません。

将来、売却できるかどうかは2つの要因があります。それは、地域と築年数です。

4-1、地域による需要の違い

「住宅・土地統計調査」では地域別の空き家率の違いも調査しています。

東日本大震災の影響はあるものの、関東や沖縄は平成20年と平成25年を比べても空室率に大きな違いはありません。そのため、関東や沖縄であればこれからも需要があり、マンションが売れることが想定されます。

しかし、空室率の高い地域では平成20年と比べると平成25年の方が悪化している地域がほとんどです。このような地域では、これからも空室率が悪化することが考えられます。空室率の悪化によりマンションの需要がなくなり売れにくくなってしまうでしょう。

4-2、築年数による需要の違い

昭和56年5月31日以前に建てられた建物は旧耐震基準のマンションとなっています。これは、震度5強程度では倒壊しないことを目的としています。では震度6以上の地震が起きてしまうとマンションは倒壊してしまうのでしょうか?

それは耐震診断を行なってみないとわかりません。耐震診断とはどのくらいの地震に耐えることができるかという診断です。

耐震診断を行なっており、震度6以上でも倒壊しないと診断が出ていれば需要はあるでしょう。しかし、耐震診断は義務ではありません。耐震診断を行なっていないマンションも多数あります。

耐震診断を行なっていないマンションを欲しいですか?残念ながら震度6以上の地震が起こると倒壊するかもしれないマンションを欲しいと思う人は少ないでしょう。

このように、建てられてからの築年数が古くなればなるほど需要がなくなり、売れにくくなってしまうのです。

マンションの供給過剰についてのまとめ

少子化にも関わらずマンションは建てられ続けられています。そのため、空き家数と空き家率は今後も増えること間違いありません。

国としても、空き家対策として空き家対策特別措置法を施行しました。この法律により、空き家としておくメリットがなくなります。そのため、不動産取引が活発になるかもしれません。

しかし、マンションは空き家対策特別措置法で定める特定空家等の定義に当てはまりにくいです。なぜならば、マンションの場合には棟ごとに判断されるからです。マンション内の空き家に対する政策はこれから行われることに期待したいです。

政策次第では地域も築年数も関係なくマンションが売れやすくやるかもしれません。しかし、現状では地域、築年数によって需要が異なると言わざるを得ない状況です。

もし、今後さらに需要がなくなると考えられるようなマンションを所有しているのであれば今のうちに売却を検討した方がよいでしょう。