こんにちは、宅地建物取引士の宅男です。

さて、マンションの売却では値下げ交渉が入ることが一般的です。売却しているマンションに既に値下げ交渉が入っていて、応じるべきか悩んでいるという人もいるでしょう。

値下げをすれば確かに早く売却することはできます。しかし、もっと高くマンションを売ることができたかもしれません。

この線引きは非常に難しく、線引きを見誤ってしまうと損をするのは間違いないでしょう。では、どのような理由で値下げ交渉が持ちかけられるのでしょうか?また、値下げにどの程度応じた方がよいのでしょうか?

ここでは、値下げ交渉の線引きについて説明します。

1、値下げ交渉の理由について

購入希望者があなたのマンションを購入をしたいと思ったとき、購入希望者より買付証明書が届きます。買付証明書とは、申込書のようなものですが、これには購入希望者の購入希望額が記載されています。

この金額が、マンションの売却価格を下回っているときに値下げ交渉が開始されるます。このときに、購入希望者が値下げ理由として上げることが多いのが以下の2点です。

1-1、リフォームが必要なため

「室内が汚れているためクリーニングが必要」、「クロスが破れているため張り替えが必要」などの理由により値下げ交渉が入ることがあります。

本当にそのような現状であるならば値下げ交渉に応じる必要があります。しかし、綺麗に掃除を行っており、住むことになんら支障がないときにもこのような理由を付けてくる購入希望者もいます。

このような購入希望者の場合には、自分の好みに合わせてリフォームしたいという場合がとても多いです。そのため、言いがかりに近いようなときもあります。

値下げ交渉の金額にもよりますが、このような場合には、基本的に値下げ交渉に応じる必要はありません。もし、応じてしまうと損をしてしまう可能性の方が高いでしょう。

1-2、似たような安いマンションがあるため

「似たようなマンションがもっと安く売られている」と値下げ交渉が入ることがあります。このような場合、「そちらのマンションを購入されてしまうのではないか?」と焦りから値下げ交渉に応じてしまうことが多いです。

そのため、事前に周辺のマンションの売却状況について調査するようにしましょう。そして、似たようなマンションと比べた場合のあなたのマンションだけの強みを持ちましょう。

日当たりや室内の設備、立地などなんでもよいです。あなたのマンションだけの強みについて説明することにより、購入希望者に納得してもらうことができ、値下げ交渉に応じる必要がなくなるでしょう。

2、値下げ交渉の目的について

購入希望者が値下げを行う目的は2通りあります。

2-1、少しでも安く購入したいため

「少しでも安く購入したい」、これは誰もが思うことでしょう。ましてや、マンションの場合には交渉次第で数十万円〜数百万円も安くなるのです。

このような購入希望者の場合には、購入額が予算内に収まっており、「できるならば値下げして欲しい」という思いが強いです。そのため、もし仮にマンションの値下げ交渉に応じなくても、マンションを購入してくれることが多いです。

また、仮に値下げに応じる場合でも、数百万円も値引きする必要はなく数十万円値引きするだけで、喜んで購入してもらうことができるはずです。

2-2、予算の限度のため

「欲しいが金額が予算を超えているため手が出せない」、このような思いは誰もが経験したことがあるでしょう。

マンションの場合でも、このような購入希望者は多いです。また、住宅ローンの融資の限度が関係している場合もあります。

このような場合には、購入希望者の購入希望額まで値下げしなければ、マンションを購入してもらうことは難しいでしょう。そのため、特に購入希望額まで値下げして売却すべきかどうかの線引きの見極めが重要となります。

このように、予算内で収まっているかどうかにより値下げ交渉に対するあなたの対応方法は異なります。そのため、購入希望者はどちらの目的で値下げ交渉を行っているのか理解する必要があります。

しかし、あなたが購入希望者と直接値下げ交渉を行うわけではありません。あなたと購入希望者に付いている不動産会社が値下げ交渉を行うこととなります。不動産会社にどちらの目的で、値下げ交渉を行っているのか確認を行ってもらうようにしましょう。

3、値下げ交渉の線引きについて

値下げ交渉に応じるかどうかの線引きについては、4つの判断材料があります。

3-1、住宅ローンの完済との線引き

マンションの売却の際に住宅ローンの残債がある場合、住宅ローンを全て完済する必要があります。もし、住宅ローンを完済せずにマンションを売却した場合には、抵当権付きのマンションを売却することとなってしまうからです。

抵当権とは、あなたの住宅ローンの返済が滞ったときにマンションを売却できる権利です。購入したとしても、銀行に勝手に売却されてしまうマンションを欲しい人はいません。そのため、住宅ローンを完済して抵当権を銀行に抹消してもらう必要があるのです。

しかし、マンションの売却金額で住宅ローンが完済できない場合にはどうすればよいよでしょうか?そのような場合には、手持ちのお金を充当して抵当権を抹消しなければなりません。

しだがって、値引き交渉に応じた場合、住宅ローンを抹消するために手持ちのお金を充当してもよいかという点が1つの線引きとなります。

3-2、管理費等との支払いの線引き

値引き交渉に応じるかどうかを考える際に、管理費等の支払いを続けた場合の費用を考える必要があります。

仮に、毎月管理費等の支払いが4万円のマンションの場合を考えてみます。このマンションが1年間売れることなかった場合には、管理費等だけで4万円×12ヶ月=48万円の費用が発生することとなります。

これに、固定資産税などを加えると1年間マンションが売れない場合は、余計に50万円以上かかってしまうことになります。

このように考えると50万円ならば、値下げ交渉に応じてはよいではないか?と思えてくるのではないでしょうか。

単純に値下げだけを考えるのではなく、将来かかるであろう費用との兼ね合いで線引きを考えることも大切です。

3-3、売り出してからの期間との線引き

食品に賞味期限があるように、マンションの売却の場合にも、売り出してから売却まで完了してしまいたい期間があります。

それは、1年間です。売り出し開始より、1年間以上経ってしまうと新鮮な情報ということができなくなってしまいます。

なぜならば、1年間以上経ってしまうと「長い期間売れないのは何か理由があるのでは?」と思われてしまうからです。そのため、マンションの売却は難しくなるでしょう。

もし、売り出し開始からもうすぐ1年間が経とうとしているときに、値下げ交渉が入ったならば、値下げ交渉に応じて売却した方がよいこともあるでしょう。

3-4、反響との線引き

マンションを売り出してからの反響も線引きの判断材料となります。もし、反響が多ければ無理に値下げ交渉に応じなくてもマンションを売却することは可能でしょう。

しかし、反響が少なければこの先いつマンションの購入を検討してもらえる購入希望者に巡り会えるかわかりません。このような場合には、値下げ交渉に応じてもよいかもしれません。

また、時期によっても反響は異なります。特に1月〜3月は転勤の人も多く、反響が多くなりやすいです。そのため、1月〜3月の値下げ交渉であれば応じずに、様子を見てもよいかもしれません。

4、値引き交渉される金額

値引き交渉で求められる金額は具体的にはどのくらい金額なのでしょうか?

値引き交渉では端数のカットが一番多いです。例えば、3,080万円でマンションを売り出していた場合には、80万円を値引きして、3,000万円で購入したいといった値引き交渉です。

しかし、3,020万円などの場合には20万円の値引き交渉ではなく、120万円値引きして、2,900万円で購入したいと値引き交渉が入る場合もあります。

また、売却価格の5%〜10%の値引き交渉が入ることもあります。例えば、売却価格が3,000万円ならば150万円〜300万円の値引き交渉になります。

以上の2点をまとめると、もし、最低3,000万円で売却したいと考えている場合には3,180万円〜売り出し価格を設定するとよいでしょう。

3,180万円であれば、端数カットの80万円の値引き交渉にも応じることができます。また、売却価格の5%の159万円の値引き交渉にも応じることができるようになります。

このように、マンションの売却価格を設定するときには、値引き交渉を前提とした価格設定を考えることが重要となります。

マンションの購入希望者からの値引き交渉のまとめ

マンションの購入希望者から値引き交渉が入った際には、以下の点を見極める必要があります。

  • 値引き交渉の理由が納得できるものかどうか
  • 値引き交渉に応じる必要がある人かどうか
  • 値引き交渉をしなければならないかどうか
  • 値引き交渉の金額はどうか

ここで書いた値引き交渉の線引きは1つの目安であって、状況によって応じるべきか応じないべきかは変わります。

そのときに、相談する相手はあなたが売却を依頼している不動産会社になります。また、値引き交渉も不動産会社が行うこととなります。

そのため、あなたのマンションの売却のために動いてくれる不動産会社にマンションの売却を依頼することが重要となります。

そのような不動産会社にマンションの売却を依頼できれば、ただ早くマンションを売却するのではなく、あなたが一番得する売却方法をアドバイスしてくれるはずです。